[1 Gen]SoftEther VPNによる家族間ネットワーク接続環境構築(1)概要

SoftEther VPN接続(第1世代)
記事内のリンクには広告が含まれている場合があります

SoftEther VPNの拠点間接続機能を使った家族間ネットワークの接続環境構築について順次説明していきます。

最初に構築する環境の概要とできることを説明します。

SoftEther VPN環境同士の接続

これまでの記事で、単体のSoftEther VPN環境の構築はできたと思います。

利用方法としてはモバイル端末から自宅のネットワークに接続するという使い方が多いでしょう。

しかし、SoftEther VPN環境は専用線と同じように離れたネットワーク同士を接続することもできます。

離れた場所のネットワークを接続することは、企業では本社と支社など拠点間の接続で当たり前のように使われているものです。

通常は専用線を契約しますので個人や個人事業では費用が見合いません。しかしSoftEther VPN環境は専用線と同じように使えるので個人や個人事業でも使うことができます。

ここでは個人のネットワーク環境を接続した場合をモデルケースとして考えてみます。

なお、今回の構築は基幹ネットワークなどは構築せず接続先のネットワークを引き込むことで設定を簡単にしています。その点を理解したうえで構築してください。

モデルケース

ここでは、以下のような家族のネットワーク環境をモデルケースとして考えます。

  • 両親と子供の一般的な家庭
  • 自宅は東京
  • 父親は2年間単身赴任で大阪に行くことになる
  • 自宅にSoftEther VPNサーバーを構築している
  • SoftEther VPNサーバーは父親と子供が利用している
  • 自宅に家計情報などを保存したNASも使っている
  • 父は赴任先で新たなSoftEther VPNサーバーを構築する

東京の自宅には母親と子供、大阪の赴任先には父親という状況です。

子供は従来通り自宅のSoftEther VPN環境でSoftEther VPN接続を利用できます。

父親は自宅と赴任先の2台のSoftEther VPN環境でSoftEther VPN接続を利用できます。

家計情報などの重要な情報は赴任先からもアクセスしたいわけですが、クラウドには置けません。パーソナルクラウドを立てる方法もありますがSoftEther VPN環境があるのでNASの方がいろいろな方法でアクセスできます。

SoftEther VPN環境同士を接続するメリット

これだけならSoftEther VPN環境同士を接続する必要はありません。

しかし、母親はスマホは使えてもパソコンはあまり詳しくはありません。保険の更新などいろいろな事務手続きについて父親から頼まれてもよく分かりません。手書き文書の例などを送れば分かるのですが、複合機にFAX機能は無く、メールで送るには重すぎます。

逆に、父親はiPhoneの操作で分からなくなると母親に聞いていましたが、赴任先との電話でのやりとりでは、どうもよく分かりません。

ここでSoftEther VPN環境同士を接続すると、このようなことができます。

赴任先の父親のパソコンからは自宅の複合機が見えることになります。そのためスキャンした手書き文書を自宅の複合機に印刷することでFAXのような使い方ができるようになります。

また、自宅のSoftEther VPN環境にApple TVを接続することで父親のiPhoneの操作画面をリアルタイムで見ることができるようになり、母親は電話で適切な指示を出せるようになります。

SoftEther VPNサーバーによる家族間ネットワーク接続の構築例

これから構築するSoftEther VPNによる家族間ネットワーク接続環境の概略図はこのようになります。

SoftEtherVPN-Connection-01

モデルケースでは、家族(A)が東京の自宅、家族(B)が大阪の赴任先となります。

SoftEther VPN環境同士の接続で要(かなめ)となるのは「仮想レイヤ3スイッチ」と「ルーティング」の設定です。詳細は構築しながら説明します。

SoftEther VPN環境同士のネットワーク接続における注意点

もちろん、SoftEther VPNによるネットワーク接続は家族間でなくても構いません。

友人同士、個人事業での店舗と自宅、小規模な企業での拠点間などでも同じ手順で接続できます。

ただし、家族を例としたのはネットワーク管理者が一人であるためです。

接続するネットワークの管理者が異なる場合は、プライバシーの問題、コンプライアンスの問題などが絡んできます。

これらを解決したうえで接続するには基幹ネットワークの設置やファイアウォールの設置など高度なネットワークスキルを必要としますので、少なくとも他人のネットワークは覗かないなど事前の申し合わせが必要です。

SoftEther VPN環境同士のネットワーク接続におけるコスト

SoftEther VPNによるネットワーク接続は、既にSoftEther VPN環境が構築できていれば、SoftEther VPN Serverとルーターの設定だけなので、追加費用はかかりません。

まとめ

SoftEther VPNによる家族間ネットワーク接続環境の構築について概要を説明しました。

基本的には設定だけなので難しいことはありません。

またリモートでも行えるので、先にSoftEther VPN Serverパソコンを帰省した時などに設置しておくのもよいでしょう。その場合はリモート管理のためにTeamViewerなどもインストールしておいてください。

次は要件の確認と役割の決定を行います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました